風邪
風邪(かぜ)は、正式には「風邪症候群」といって、鼻やのどに感染がおこり炎症を起こします。
お子さんの病気の中でも一番多いのが風邪です。
症状としては、咳、鼻水、鼻づまり、軽度ののどの痛みや発熱等が挙げられ、原因の9割以上がウイルスによるものです。
しっかりと治療しないと、気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、熱を含めた症状の経過をきちんと観察することが重要です。
腹痛
腹痛は比較的軽症の急性胃腸炎や便秘症から、重篤で緊急の対応が必要な病気(急性虫垂炎や腹膜炎、腸閉そく、腸重積症等)まで、さまざまな原因で起こります。
お子さんが訴える痛みで一番多いのが腹痛です。
2歳以下の乳幼児は、はっきりとした腹痛を訴えることができず、ただ機嫌が悪くなり泣いている場合もあります。
便秘は病状としては軽症ですが、お子さんにとっては、激しい痛みを伴う場合があります。 腹痛は病状の重症度と痛みの程度が一致しないことがありますので、嘔吐や下痢といった他の症状の経過観察が必要になります。 これらの症状の経過を医師にお伝えください。
下痢
お子さんの病気の中で、風邪の次に多いのが下痢です。
下痢の場合は、便の状態をよく観察してください。
・少し柔らかい程度の下痢なのか
・水のように漏れてしまう下痢なのか
・血液や粘液は混じっていないか
・腐敗したような臭いはないか
・白っぽくないか
などを確かめましょう。
血便、粘血便(粘液の混じった血便)、白色便、食物が全く消化されていない便などであれば、それをクリニックまでお持ちください。また、機嫌はどうか、ぐったりしていないか、嘔吐はないかなどもよく観察しておいてください。
下痢が続くと、栄養が足りなくなってしまうのではないかと心配になりつい食べさせてしまいがちですが、腸が傷ついているのでいくら栄養価の高いものを食べさせても、あまり意味がなく、消化吸収することができません。高カロリーの食事はかえって治りを遅くしてしまいますので、注意が必要です。
下痢のときには、水分も吸収しにくくなっていますので、水分を少量ずつ上手にとらせながら休息させてあげてください。
嘔吐
嘔吐とは、食べたり飲んだりした物を胃腸が拒絶して起こる反射です。
胃腸の食物を消化する能力が落ちているため、起こります。
吐いたあとも、少しずつ水分を摂らせて、あまり苦しそうでなければ、さほど心配はありませんが、嘔吐と共に顔色不良となりぐったりする、火がついたように激しく泣く、血便等が見られるときは腸重積症のおそれがあります
。
腸重積症は、 腸が腸の中にどんどん入り込んでいってしまい、13時間以上経過すると腸が壊死して腹膜炎やショックを引き起こしたりする恐ろしい病気です。できるだけ早く医療機関にかかりましょう。
また嘔吐のときは、脱水症状にも注意が必要です。
但し、吐き気がおさまるまで何も与えないでください。吐き気の強いときは、水を飲ませても吐いてしまいます。
余計に脱水症状をひきおこす要因にもなりますので、
吐いて30分間は何も与えず様子をみます。
吐き気がおさまって水分を欲したら、水や薄目のお茶などをゆっくり少量ずつ与えてください。
食事は、うどんやおかゆなどの炭水化物を、様子を見ながら少量ずつ与えるのが良いでしょう。
発熱
小さなお子さんが熱を出すと心配になりますが、まだ体温調整機能が発達途中のため、小学校に入るくらいまではよく熱をだすことがあります。
発熱は感染症からからだを守ろうとするからだの防御反応にです。
解熱剤で熱を下げたところで病気自体が治るわけではありません。
熱の高さと病気の重症度は比例するものではありません。無理にお薬を飲ませるのではなく、自然治癒で経過を観察することも重要です。
また、熱はそれほど高くないけど、微熱が長引き肺炎になる場合もあります。様子をみながら、慌てず冷静に受診をおすすめいたします。
とびひ
お子さんがかかる皮膚感染症の中で、多く見られるのがとびひです。
細菌が皮膚に感染することで発症し、人にうつる病気です。
とびひは、虫刺されや汗疹を掻いたり、小さな怪我でできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染することで発症します。
かきむしった手を介して、水ぶくれ(水泡)があっという間に全身へ広がる様子が、火事の火の粉が飛び火することに似ている為、「とびひ」とよばれています。
手足口病
生後6か月くらいから、4~5歳頃の乳児に多い病気で、夏風邪の一種です。
手、足、口の中に水疱ができるのが特徴です。
せきや唾液などの飛沫感染のほか、便からもウイルスが排泄されて口からうつったりします。
潜伏期間は3~5日くらいです。手足や口に特有の発疹がでます。手のひら、足の裏、口の中に、周辺が赤くて真ん中が白い、米粒大の水疱ができます。足の甲やおしりにできることもあります。痛みやかゆみはありませんが、足の水疱が少し痛がゆいこともあります。
熱は高くてもも37~38度くらいで、通常の場合、1~3日で下がります。ときに下痢や嘔吐を伴うこともあります。
ヘルパンギーナ
水疱ができる、発熱がある、流行時期が夏季である、というように手足口病と症状が似ていますが、手や足には発疹は出ません。また、39~41度の高熱が突然出ます。
水ぼうそう
水ぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる伝染病で、空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれかの方法で感染していきます。
水ぼうそうの最も顕著な症状は発疹です。体のいたるところに発疹が出ますが、発疹の数や程度には個人差があります。
初めは虫刺されに似た小さな発疹ですが、それが一気に周囲に広がり始め、発疹自体が赤い水ぶくれのようになるのが特徴です。この水疱は1週間~11日程度でかさぶたになり、徐々に剥がれて元の肌に戻ります。
ただし、水疱をかきむしってしまった場合には、痕が残ることもあります。
おたふく風邪
耳下腺や顎下腺が腫れ、丸顔のおたふく面のようになることから、おたふく風邪と呼ばれています。
特に顎下腺が腫れるとおたふくのような顔になりやすいです。
症状は風邪のような咳・鼻水、発熱、耳の前下にある唾液腺・耳下腺・下あごの下にある唾液腺・顎下腺の腫脹などです。唾液腺が左右ともに腫れることが多く、診断の大きな決め手になります。時に一方だけしか腫れない場合もあり、その場合は診断に苦労します。
最初は一方の腫れで、何日か経って両方腫れる場合もおたふく風邪と言ってよいでしょう。腫れは1週間くらいで引きます。
はしか
はしか(麻疹)は、空気感染、飛沫感染、接触感染によって感染し、発症は、1歳代が最も多く、次いで6~11か月、2歳の順です。
近年、成人麻疹の増加が問題となっており、10~20代での発症が多く報告されています。
10~12日の潜伏期の後、発熱で発症します。発症期は咳、鼻水、結膜炎症状が強く、38度以上の発熱が数日続きます。その後、いったん解熱傾向を示しますが、すぐに耳後部付近から発疹が現われるとともに、39度以上の発熱が数日続きます。
発疹出現後1、3日間に、口腔粘膜に白い粘膜疹が現われます。
この粘膜疹がはしか(麻疹)の特徴であるため、これを確認してはしか(麻疹)と臨床診断されることがほとんどです。発疹はその後、顔面、体幹、手足に広がって全身の発疹となり、数日後、色素沈着を残して回復に向かいます。
予防接種をご希望の方は、Web受付もしくはお電話にてご予約ください。
次回から当院では「ワクチンスケジューリングシステム」を導入していますのでweb上から簡単にもご利用いただけます。
しっかりと無理なくワクチン接種のスケジュールがたてられ、接種忘れや誤接種も防ぐことができますので、是非ご活用ください。
当院は広域予防接種指定機関です。
名古屋市以外の県内にお住まいの方も公費での予防接種が可能です。各自治体の保健センターで連絡票・問診票を受け取り、webまたは電話でご予約下さい。なお、接種当日に連絡票・問診票を持参していない場合は接種できません。
(詳しくはこちら)
インフルエンザ(注射型)予診表に記入してお持ちいただくとスムーズです。
インフルエンザ(点鼻型)予診表に記入してお持ちいただくとスムーズです。
当院で可能な予防接種
(ワクチン)
< 定期接種 >
- ロタウイルス
- ヒブワクチン
- 肺炎球菌
- B型肝炎
- 5種混合
- 4種混合
- BCG
- MR(麻疹風疹混合)
- 水痘
- 日本脳炎
- 2種混合
- ヒトパピローマウイルス(HPV)
当院で可能な予防接種
(ワクチン)
< 任意接種 >
- おたふくかぜ
- インフルエンザ(注射型)
- インフルエンザ(点鼻型)
- 麻疹
- 風疹
定期接種:ロタウイルス
対象:ロタリックス(1価)は生後24週までに2回、ロタテック(5価)は生後32週までに3回、生ワクチンを飲みます。初回は14週までに始めて、4週以上あけます。
疾患の説明:ロタウイルスは乳児の胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。嘔吐がひどく水分がとれなくなると脱水になり重篤な状態になるため入院して点滴する必要性が高くなります。胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。
定期接種:ヒブ
対象:生後2か月から開始します、4~8週間隔で3回、3回目から7か月以上あけて1歳すぐに4回目を接種します。5歳未満は公費負担(無料)です。
疾患の説明:乳幼児期に髄膜炎や喉頭蓋炎など重症感染症を起こす菌で、これらの疾患は命に関わることや後遺症を残すこともある重篤な疾患です。
定期接種:肺炎球菌
対象:生後2か月から開始します、4週間隔で3回接種します。2か月以上後、標準的には1歳から1歳半に4回目を接種して完了です。5歳未満は公費(無料)です。
疾患の説明:乳幼児期に敗血症や髄膜炎を起こし、肺炎や中耳炎の原因菌としても知られています。ワクチンは主に前者を防ぐ目的で行われています。
定期接種:B型肝炎
対象:生後2か月から接種できます。初回から4週以上あけて2回目、さらに5、6か月あけて3回目が標準的な方法です。
疾患の説明:肝炎を起こすウイルスです。急劇な肝不全をおこして死に至ることもあります、治癒後も肝ガンの発生率があがると言われています。
定期接種:5種混合
対象:生後2か月から開始。3~8週間隔で3回接種します。6か月以上後、標準的には1年から1年6か月後に4回目を追加します。7歳6ヶ月までに完了しましょう。肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ワクチンなどと同時接種が可能です、4週間ごとに同時接種で受けましょう。追加接種も、肺炎球菌ワクチンの追加接種と同時接種が可能です。
疾患の説明:5種とは、ヒブ、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを指します。ジフテリアとポリオは国内での感染はほとんどありませんが過去には重症者が出ていました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。ヒブは乳幼児期に髄膜炎や喉頭蓋炎など重症感染症を起こす菌で、これらの疾患は命に関わることや後遺症を残すこともある重篤な疾患です。
定期接種:4種混合
対象:生後2か月から開始。3~8週間隔で3回接種します。6か月以上後、標準的には1年から1年6か月後に4回目を追加します。7歳6か月までに完了するようにしましょう。 ヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ワクチンなどと同時接種が可能です、4週間ごとに同時接種で受けましょう。追加接種も、ヒブ、肺炎球菌ワクチンの追加接種と同時接種が可能です。疾患の説明:4種とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを指します。ジフテリアとポリオは国内での感染はほとんどありませんが過去には重症者が出ていました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。
定期接種:BCG
対象:11か月(1歳未満)までに接種します。ヒブ、肺炎球菌、4種混合の接種がひと段落する生後5か月以降に接種しましょう。
疾患の説明:結核を予防します。結核は成人では肺結核の長引く咳や熱が有名ですが、乳児では全身に結核菌がめぐって髄膜炎や粟粒結核という致死的な疾患を起こします。
定期接種:MR(麻疹風疹混合)
対象1歳代で初回接種をします。1歳になったらすぐに接種するようにしましょう。2期は小学校入学前の1年間に行います。
疾患の説明:麻疹は発熱、発疹から肺炎や脳炎などの合併症をきたす疾患で、非常に強い感染力があります。風疹は‘3日はしか’とも呼ばれる発熱、発疹をきたす疾患で、妊婦が感染すると赤ちゃんに重篤な障害が出る可能性があります。
定期接種:水痘
対象:1歳から接種できます。1回目の接種後約3か月たったら2回目を受けるようにしましょう。1回目の接種の際は、MRワクチン、おたふくワクチンと同時接種できます。
疾患の説明:みずぼうそうとも呼ばれるウイルス感染です。全身に水疱疹が多発し、重篤な状態にいたることもあります。帯状疱疹も同じウイルスが原因で発症します。
定期接種:日本脳炎
対象:生後6か月から7歳半まで接種可能です。標準的には3歳で2回(1~4週間隔)、その後に6か月以上あけて4歳頃に1回接種します。9~12歳に第2期の接種を追加します。
疾患の説明:蚊が媒介する日本脳炎ウイルスの感染で、急性脳炎を引き起こします。半数程度の方が後遺症を残す、治療法のない重篤な疾患です。日本での発症はきわめて稀ですが、東南アジアなどで流行があります。
定期接種:2種混合
対象:11歳以上13歳未満に1回接種します。4種混合に入っているジフテリアと破傷風の追加接種です。
定期接種:ヒトパピローマウイルス(HPV)
対象:小学校6年生から高校1年生相当の女性は定期接種として接種が可能です。(9歳から接種可能ですが、前述の年齢以外は任意接種となり、自費になります。)
ガーダシル(4価)は3回接種で、1回目と2回目の間は1ヶ月以上、2回目と3回目は3ヶ月以上あけて接種します。シルガード9(9価)は15歳未満で1回目を接種した場合は2回で完了です。15歳以上で1回目を開始した場合は3回接種が必要です。
疾患の説明:ヒトパピローマウイルス感染は、子宮頸がんや良性のいぼ(尖圭コンジローム)などの原因となります。
任意接種:おたふく風邪
対象:1歳から接種でき、MRワクチンと同様に1歳頃と5~6歳の2回接種が薦められています。
疾患の説明:ムンプスウイルスの感染で、発熱や耳下腺(耳の下にあるだ液腺)の腫れが特徴です。頭痛をきたす髄膜炎や難聴や精巣炎など重い合併症もあります。
任意接種:インフルエンザ(注射型・不活化ワクチン)
対象:生後6か月から接種できます。13歳未満は4週間間隔で2回接種、13歳以上は1回接種です。
疾患の説明:主に冬季に流行するウイルス感染症です。A型、B型があり、A型は高熱と咳・鼻水などの上気道症状が見られ、B型は発熱に加え嘔吐や下痢などの消化器症状が見られることがあります。
任意接種:インフルエンザ(点鼻型・生ワクチン)
経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト)について
1.特徴
①痛くない
鼻から投与!鼻の中へ吹き付けるインフルエンザ感染予防のための生ワクチンです。従来の不活化ワクチンの皮下注射と違い、鼻腔内にスプレーを吹きかけるだけなので痛みがありません。
②生ワクチン
生きたウイルスを弱毒化した生ワクチンです。(従来のものは不活化ワクチンです。)
③1回で終了
注射のワクチンの場合、13歳未満は2回接種ですが、こちらは1回で終了します。はっきりしたデータはありませんが、通常、接種後2週間後から効果があり、1シーズン(約6か月)効果が持続すると考えられています(不活化ワクチンよりも効果が長く持続)。接種後すぐに効果が得られるわけではないため、流行が始まる前にワクチン接種をすることが推奨されます。
④対象年齢
2歳以上19歳未満で承認(2歳未満、19歳以上は接種できませんのでご注意ください。)
2.ワクチンの効果
①鼻から投与のため、自然感染に近い
鼻から投与するので、本物のインフルエンザウイルスの自然な感染経路と似ています。
②注射より免疫応答が強化され効果が高いと期待されている
自然感染に近いため、注射のワクチンよりも免疫応答が強化される可能性があると期待されています。特に幼児や若年者において、注射型よりも効果が高いとされています。
注射ワクチンで誘導されるIgG抗体だけでなく、気道分泌型IgA抗体も誘導するため、予防効果が(特に小児において)高いと考えられます。また生きたウイルスで免疫を作るため、流行しているインフルエンザと株が違っても発症を軽症化させる作用があります。
③まだしっかりしたデータ不足
実際にワクチン効果を比較した報告をみると、データがばらついており、どちらが優れているかはっきりしません。毎年流行株が異なることも大きく影響していると思われます。今のところは鼻スプレー型ワクチンが注射ワクチンに比べてはっきりと優れているとは言えません。効果は概ね同等くらいに思って頂いた方が良いかもしれません。
3.一般的な副反応
感冒様症状(鼻づまり・鼻水・のどの痛み、軽度の発熱、頭痛、筋肉痛・全身の疲労感、咳)
投与経路が異なり、生ワクチンでもあり、インフルエンザ様症状として感冒様症状がみられることがあります。従来の注射型の副作用(注射部位の痛み、腫れ、軽度の発熱など)とは少々異なります。
30~40%の人で接種3~7日までに鼻水、鼻づまりが出ることがあります。その他、咽頭痛、咳など軽度の感冒様症状を数日認める場合があります。いずれも軽度で一時的なものであり、数日で改善することが多いです。
ワクチン接種後にくしゃみが出たり、喉に垂れたりすることがありますが、飲み込んでも特に問題ありません。
4.重篤な副反応
重篤な副反応としてアレルギー反応やアナフィラキシー、喘息や呼吸困難の悪化、ギランバレー症候群がありますが、頻度は非常に稀で、1%未満の頻度とされています。起こす可能性は、他のワクチンと同様否定できません。
5.接種できない方
通常のワクチンより不可が多いです。
① 年齢が2歳未満、19歳以上
② 卵白やそのほかのワクチン成分に対して重度のアレルギーのある方やアナフィラキシーの既往がある方
③ アスピリン服用中の方
ライ症候群のリスクがあるため、アスピリンやアスピリン含有薬を長期的に服用している方は接種できません。
④ 免疫が著しく低下している方、または免疫力が著しく低下している人と同居している方
⑤ 喘息や喘鳴のある2~4歳の方
2~4歳のお子さんで、過去1年間に喘息や喘鳴のエピソードがあった場合、接種はできません。ワクチンに使用されている生きた弱毒化インフルエンザウイルスが、呼吸器系に影響を与えやすく、喘息の悪化を引き起こすリスクがあるためです。(軽度でも発作誘発のリスクは残りますので、当てはまる方や微妙な方は注射型のワクチンがおすしめです。5歳以上なら大丈夫というわけでもありません。発作のコントロールが良好かどうかで判断は分かれます。)
⑥ 鼻水ズルズルの方
鼻水が多すぎるとワクチンがきっちり奥まで入らず、効果が落ちる可能性があります。ギャン泣きしても鼻水がいっぱいになりますね。やり直しはできませんので、怖がるお子さんは確実に投与できる注射の方がおすすめです。
⑦ 急性の病気にかかっている方(明らかな発熱、37.5℃以上がある方)
これは鼻スプレー型ワクチンに限らずワクチン全般に言えますが、急性の重篤な疾患にかかっている場合、病状が安定するまでワクチン接種を延期することが推奨されます。
⑧ 妊娠している方
6.点鼻型ワクチンの副反応はうつるのか
フルミストのような生ワクチンを使用している場合、感冒様症状が出ることがあります。この感冒様症状はウイルス自体の感染による症状というよりも、インフルエンザそのものではなく、免疫応答によるものが主体であるため、周囲に広がる心配ないと考えられています。ただ、接種後1~2週間の間に弱毒化されたウイルスを鼻やのどから排出することがあります。これらのウイルスも通常のインフルエンザウイルスよりも感染力が大幅に低く、通常はほかの人に感染することはほとんどありません。ただし、免疫不全のある人や重篤な健康状態にある人と密接に接触した場合、わずかに感染リスクが生じる可能性があると言われています。本人、または周囲にこのような方がおられる場合には注射型のワクチンをお勧めします。
・・・・・・・
どっちを選ぶ?
さて皆さまはどちらを接種したいと思いましたか? 仮に大人の自分が接種するなら点鼻一択な感じもしますが、点鼻薬って意外に嫌いな子も多いです。もし嫌がって暴れた場合、腕を持たれて一瞬で注射されるのと、顔を押さえつけられて鼻に2回噴霧されるのではどちらがトラウマ的だろうと考えると、誰にとっても点鼻が良いとは言いきれないように思います。お子さんの性格に合わせて、よりストレスの少ない方を選択してあげたいところですね。
当院でも今年度からフルミストを採用しますが、認可された初年度ということで流通が安定していないため、準備できる数はかなり限られます。ご希望の方はお早めにご予約ください!
子育てを応援
お子さんの発育・発達、健康の状態を定期的にチェックすることが一番の目的です。成長・発達・栄養状態の確認、先天性疾患を含む身体的異常の有無などについて、保護者様と一緒に考え、子育てを応援させていただきます。
育児についてのご相談もお受けいたします。 身長・体重、運動発達、表情、言葉など、お子さんのことで気になることやお悩みのことがございましたら、月齢・年齢に関係無くお気軽にご相談ください。
健康的な成長をお手伝い
お子さんは大人と違い、成長や発達が著しく、健診の時にやや疑問の感じられたお子さんも、1か月後には見違えるような成長を遂げることがよくあります。 乳幼児健診は、診断をつけることだけが大きな目的ではなく、お父様・お母様など保護者の方と一緒に子育てをするつもりで、お子さんが健康的に成長するよう、お手伝いすることが究極の目標です。 当院では、お子さんの健全な発育と育児支援を目的に「乳幼児健診」を行っております。
乳児健診
当院では、お子さんの健全な発育と育児支援を目的に行っております。
名古屋市にお住いの場合、3~4か月、1歳6か月、3歳健診は地区の保健福祉センターでの集団検診となります。
当院は名古屋市の委託機関ですので、1歳の誕生日までに2回分、公費受診票(無料)で健康診断を受けることができます。
ご希望に応じて、どの月齢、年齢でも検診させて頂いておりますので、ご相談ください。
▼ 内 容
身長・体重・頭囲・胸囲の測定、診察、月齢に応じた心身の発育の確認と栄養指導、生活指導、事故防止の指導など個別相談に対応させて頂きます。
▼ 対象時期
ご希望に応じて、どの月齢、年齢でも検診可
▼ 受診票
母子手帳に1歳の誕生日まで使用できる2回分の受診券がついています
< ご持参いただくもの >
・母子手帳
・乳児健康診査受診票
・健康保険証
・乳児医療証
● 小児アレルギー ●
当院では小児アレルギーの診断、治療も積極的に取り組んでいます。
アレルギーとは、身体を守るための免疫という仕組みが過剰に反応してしまうことで引き起こされ、かえって身体に害を及ぼしてしまうことを言います。
アレルギーを引き起こす物質「アレルゲン」が体内に入ることで様々な症状を引き起こします。
気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーなどの診断、治療を行います。 アレルギーは、年単位の治療期間が必要な病気です。そのため、ご家族の方も含めて、病気をしっかり理解し、納得して、治療していく必要があります。 症状や生活スタイルを含めた環境を詳しくお伺いしたうえで、家族がストレスなく続けられる、一人ひとりにあった治療方針を決めていきます。
お子さんのアレルギーについて、ご不安なことや気になることがございましたらご相談ください。
当院で行う検査
当院では、血液検査(特異的IgE抗体の測定)、鼻汁好酸球を行っています。
問診や検査結果からアレルギーの原因を早期に突き止め、それぞれに対応した治療を行っていくことが重要です。
咳・鼻水・目のかゆみ・肌の発赤など、気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
食物アレルギーについても、ご相談ください。
アトピー性皮膚炎
アトピーはかゆくてつらいですが、かくと症状が悪化するので、気をつけましょう。 ていねいなスキンケアで、乾燥から肌を守り、皮膚を清潔に保って、保湿剤やステロイド軟膏を使って炎症を抑えます。「ステロイドは怖い」と言われることもありますが、即効性があり効果が高いお薬ですので、正しい塗り方を学びながら、使っていきましょう。
食物アレルギー
「強いアレルギー症状が出る食べ物は、食べない」ことが治療の原則になります。最初に疑わしい食品について、血液検査を行うことが多いです。 ただ、「血液検査の値は高いけれど、症状が出ない」「血液検査の値は低いけれど、症状が出る」ということがありますので、検査結果だけにとらわれず、実際の様子を優先して除去をしていきます。過度の食事制限はさける必要があります。 小さい頃の食物アレルギーは、大きくなって体力がついてくると、だんだん食べられるようになることが多いです。
気管支喘息
気管支喘息で大切なことは、そもそも発作を起こさないための予防と、発作が起きたときの治療です。発作が起きたときは、適切なお薬を使って、発作をしずめます。 症状が安定したときには、予防のための弱いお薬を飲んだり、吸入をしたりすることがあります。 ご自宅では、アレルゲンを取り除いて環境を整え、規則正しい生活を行ってストレスをためないことが大切です。
アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルゲンに触れないことが一番ですが、難しい場合は、症状を抑えるお薬を使います。 少し前は、症状が出る前から飲む「予防投与(初期療法)」が行われていましたが、最近では症状が出てから飲んでも変わらないとされています。
● 小児腎臓内科 ●
腎臓の病気は普段の生活で気づくことは少なく、園や学校の尿検査で、血尿やたんぱく尿が検出されてはじめてわかるケースが多いです。
学校検尿で引っかかった、尿がくさい、尿の色が変、おねしょが治らないなど心配がある場合、まずは当クリニックにご相談ください。
専門的検査や治療が必要な場合は専門施設へご紹介させて頂いております。
夜尿症
幼児期を過ぎても夜間、睡眠中に無意識で排尿してしまうことを夜尿症と言います。幼児期は「おねしょ」と呼ぶことが多いのですが、5~6歳(小学校入学前後)を過ぎても治らない場合、一般的に「夜尿症」と呼び、診療の対象とします。
小学生でおねしょをする子どもは10~20人に1人いるといわれており、本人は人知れず悩み、自信を無くしていることも少なくありません。治療によって症状が改善すれば、お子さん自身の「頑張っておねしょを治したい」という自信にも繋がります。「焦らず」「怒らず」「起こさず」を原則として、お子さんと共に改善していきましょう。
夜尿症の主な原因は、「夜寝ている間のおしっこの量が通常より多すぎる」か「夜寝ている間に膀胱に貯められるおしっこの量が通常より小すぎるか」のどちらかか、あるいはその両方です。そのため、治療としては夜間の尿量を減らすこと、および夜間の膀胱容量を増やすことが中心になります。 週の半分以上夜尿がある場合やお子さんがとても悩んでいる場合は、一度ご相談にいらしてください。
検尿異常
小・中学生の慢性糸球体腎炎の割合は0.05%前後と言われており、その約70~80%が「学校検尿」で発見されています。つまり、学校検尿で血尿や蛋白尿が検出されて、はじめて腎炎であることがわかるケースが多いということです。
また、学校検尿で発見された慢性糸球体腎炎は、むくみや食欲不振などの症状が出始めてから診断されたものに比べて病変が軽く、適切な生活管理や治療を行えば、以後の経過の見通しが良いことも明らかにされています。 学校検尿が全国的に普及した昭和54年度から、慢性糸球体腎炎によって小児期に腎不全に陥る子どもが減少していると言われており、学校検尿による慢性腎疾患の早期発見と関係があると考えられています。 学校で尿検査の結果に関して異常通知をもらった際は、当クリニックにご相談ください。